(テイラー展開とマクローリン展開) Taylor expansion & Maclaurin's expansion 2008.1.30
サインカーブをマクローリン展開で近似したグラフを次々かくと,,,, |
テイラー展開,マクローリン展開というものがあるが,高校数学では「ちら」っと触れるだけで, そこまで入り込む時間も,余裕も無いのが現実である。 更に言うと,「ちら」見が出来るのは,それなりの学力の高い学校で それなりの理解力を持った生徒でなければ,かえって微積分の混乱を深めるだけかもしれない。 興味と関心と,ちょっとした勇気と大胆な発想と,繊細な集中力があれば, テイラーさんもマクローリンさんも,そう難しい事ではない。 さて,前置きはこの程度で。 【問題】 y=sinxにおいて,次のxの値のときに,yの値を求めよ。 【解答】 ラジアン表示されたxにおいて,sin(正弦)の値を求めよという問題なわけである。 |
さて,上の「妙な+−の式」の数学的解説です。
微分可能な曲線y=f(x)上の点,(a,f(a))における接線の方程式は, これは,x=aの近傍で,もとの式y=f(x)と非常に近いことが言える。 ====================================================== この精度を上げて,二次式で近似しようとすると となる。 このpを求めると, 更に,同様に三次式で近似しようとすると, これを4次,5次と続けていくことで,次のテイラー展開を得る。 f'(a)
f''(a)
f'''(a) f''''(a) 更に,a=0の特殊な場合について考えた次の式を,マクローリン展開という。 f'(0) f''(0) f'''(0)
f''''(0) である。 |
さてさて,更にエディタで美しく数式を表現すると,以下のようになります。
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最初に戻って,三角関数をマクローリン展開すると,,,,![]() |
いよいよ,仕上げで,動くグラフをどうぞ。サインカーブが,3次式,5次式,7次式,9次式・・・・・とどんどん近似されていきます。
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いやぁ,長かった。
微分もちょっとした勇気と,ちょっとした時間をかけて攻め込むと,このような面白さがあるのですよ。。 ちなみに,大学入試ではどのような扱いを受けるかというと,,, (1999.高知女子大学) このような証明問題をからめた(数学的帰納法で処理する)出題が散見される。
【解説】 マクローリン展開を,数学Vの知識で何とか理解できるような説明をしたつもりですが, そういった背景を知っているだけで,見ず知らずの問題を解くのと,とっかかりが違うと思うのです。 入試を通過するという目標だけでは,そのぎりぎり通過ラインを超えるだけかもしれません。 しかし,目標とする到達点が遠くにあるならば,余力を残したまま,入試を超えていける事でしょう。 それを世の中では,「あまり勉強しなかったのに通った」というのかもしれません。
今日は妻の誕生日でして,なんとなく記念的にゴリゴリと書き上げてしまいました。(2008.1.30)
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