α=cos(72゜)+isin(72゜)とおくとき、次の問に答えよ。
ただし、iは虚数単位とする。
(1)等式(x−1)(x4+x3+x2+x+1)=x5−1が成り立つことを示せ。
(2)αは方程式x5=1および、x4+x3+x2+x+1=0の解となることを示せ。
また、 を極形式を用いて表せ。
1
----
α
(3)
1
β=α+----とおくとき、(2)よりβは方程式x2+x−1=0の解と
α
なることを示し、これを用いて、
浮T−1
10+2浮T
cos(72゜)=---------- 、sin(72゜)=--------------
4
4
となることを証明せよ。
【解説】
(1)は数学Aの式の展開である。2次に出題するのはどうかという意見もあるかもしれないが,受験生にとって,ほっと一息つく,導入としては良い問題と思われる。 逆に,これが出来ないと合格は出来ないだろう。(これが解けない人は受験してないはず!) (2)(3)は,図形的には複素数平面上の正五角形の問いである。 教科書にもこの問いでいうところのαまでは載っているので,見覚えある「よしっ」という受験生も多かったのではなかろうか。 見たことが無くても,証明としての出題であるため,力技で解に近づけたであろう。 右図はこの問題の,cos72°の図形的表現。 sin72°も,省略しているが以下のように図形的表現できる。 1 α−----=2sin72°として,虚軸上に平行四辺形を作る。 α |
![]() |
また、
1
1
----=------------------------
α
cos72゜+isin72゜
1 ×(cos72゜−isin72゜)
=-------------------------------------
(cos72゜+isin72゜)×(cos72゜−isin72゜)
cos72゜−isin72゜
=------------------------
cos272゜+sin272゜
=cos72゜−isin72゜ ←これはまだ極形式とは言えない。
=cos(−72゜)+isin(−72゜) ←この形まで。問題の(72°)はこれを連想させたかったのか?
(3)x4+x3+x2+x+1=0・・・・・@ の両辺をx2で割ると、
1 1
x2+x+1+----+-----=0
x x2
1
1
(x2+2+-----)+(x+----)−1=0
x2
x
1
1
(x+----)2+(x+----)−1=0
x
x @の解が、αだから、
1
1
(α+----)2+(α+----)−1=0
α
α
よって
β2+β−1=0
つまり、βはx2+x−1=0・・・・・Aの解である。
ここで、
1
β=α+---- は、(2)より
α
=(cos72゜+isin72゜)+(cos72゜−isin72゜)
=2cos72゜>0
また、Aを解くと
−1±浮T
浮T−1
x=----------- β>0より β=----------
2
2
従って、
浮T−1
浮T−1
2cos72゜=----------
ゆえに、cos72゜=----------
2
4
また、
0<sin72゜<1だから、
sin72゜=1−cos272゜
浮T−1
=1−(---------)2
4
10+2浮T
=---------------
4