鹿児島大学2012年の出題から 2012.2.25
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大問1(1)
KADAIという語の5文字を並べて得られる順列のうち,2つのAが隣り合
わないものの総数を求めよ。
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という出題が,1番の(1)にあった。
コメントとしては,書いたとおり,
教科書レベル。それも例題,問レベル ウォーミングアップには適切。
鹿児島大学に入学したいなら,絶対解きたい問題。
というものであろう。
答えとしては,36通り。
@Aをまとめて1文字と考え,その余事象として考える。
か,
A他の文字を並べておき,あとでAの入る場所を隣り合わないように選ぶ。
かの,どちらかの解法だろう。
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ちなみに
@なら,同じものを2文字含む全部で5文字を並べると,5!÷2=60通り
AとAを離れられない一つの文字Aと考えて,全部で4文字の並び4!=24通り
60-24=36通り
Aなら,K,D,Iを並べて3!=6通り
その隙間(端も考えて)4ヶ所のうち2ヶ所にAが入り,4C2=6通り。
よって,6×6=36通り
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以上ではあるが,せっかくなので,ソフトウェアの登場としてみた。
5つの文字 KADaI をアナグラムさせるソフトで120通り書き並べてみた。
出来上がった文字を,階層構造化させ,ツリー表示(気持ちは樹形図)させてみた。
この二つの操作のために,二つのソフトウェアが,下記のものである。
やはり,やりたいと思ったことは,ネット上に転がっているものだ。
作者の方々に感謝したい。
二つをつなぐソフトとして,エクセルで表に作り変えている。
math/anime/2012Kadai/KADaI.xls
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■アナグラム作成モウ太くん
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/amuse/se227867.html
3〜6文字の並べ替えを表示
ダウンロードソフト名: アナグラム作成モウ太くん3.00
ファイル: anagram.lzh / 341,264Bytes / 2002.1.30

math/anime/2012Kadai/KADaI.txt
■進化した樹形図ジェネレータ SuperTreeEditor
http://www.geocities.jp/recyclebin5385/software/supertreeeditor.html
概要
樹形図ジェネレータTreeEditorに大幅な機能追加を行い、さらにメニュー項目探索ツールMARISAの機能を取り込んで作られた究極にして至高の樹形図エディタ。
このアプリケーションは、樹形図、インデント、MarkdownやPukiwiki形式の入れ子になったリストなど、さまざまな書式を持つ階層構造を持つテキストを編集するためのテキストエディタです。

math/anime/2012Kadai/KADaI-tree.txt
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2012年の鹿児島大学入試問題へのコメントは,Blogでとりあえず書いたが,
念のため,下に再掲しておく。
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2012 鹿児島大学 2次試験(数学)終了
覚えているうちにコメントを書いておこう。
やっとこさ2次試験が終わった。
実力を発揮できただろうか?
手ごたえはあっただろうか?
準備した学習は役に立っただろうか?
我らが鹿児島大学の入試問題を早速手に入れた。
全てを解いたわけではないが,第一印象を書き残しておく。
1 小問3つ
(1)同じものが隣り合わない並べ方
問題:K,A,D,A,I 2つのAが隣り合わない
コメント:教科書レベル。それも例題,問レベル ウォーミングアップには適切。
鹿児島大学に入学したいなら,絶対解きたい問題。
(2)2次不等式と3の倍数
問題:2次不等式を満たさない,3の倍数でないものをすべて
コメント:満たさず,でないもの。日本語を正しく捉えられるかどうかだけか。
3に関して,3k,3k+1,3k+2などとすると時間がもったいない。
(3)三角形平面図形
問題:中点と中線で二等辺三角形の証明
コメント:どこかで見たことある気がする。重心とは何かがテーマ。
作図力がポイントか?図にもかなりの部分点がありそう。
2 指数関数と微分法
問題:2^x+2^-xをtとおき,tの3次関数に持ち込む。
コメント:相加相乗の定番パターンである。文字の変換も,”一度は”では無く,
少なくとも,”数問”は解いたことがあるはず。
定義域を正しく変換し,正しい増減表を作り,正しくlogに戻す必要がある。
3 平面ベクトル
問題:平面ベクトル 三角形 内積と対称な点
コメント:これも,全く定番の問題で大きなひねりは無く素直な出題である。
対称な点は,垂直条件である,つまり内積が0ということは気づくだろう。
ベクトル絶対値の表記法,適か不適かの判断が,減点対象だろう。
4 微積,漸化式,極限
問題:eについてのf(x)。部分積分で求値。n+1とnの漸化式ができる。
漸化式から和が舶\現されている。更にその和の極限。
コメント:やはりどこかで見覚えのある出題である。
難しい表現は一切無く,基本的なごく当たり前のオーソドックスな出題である。
部分積分は予想通り出題され,部分分数的な発想が和に適用される。
(1)〜(4)までが自然な出題で,流れに乗る(前の結果を利用する)必要がある。
ハサミウチの原理は極限の基本パターンである。
5−1 行列
問題:行列Aに対して,A^nを求めさせる。
コメント:逆行列を持たないという条件に言い換えることができるか。
問題文に表記は一切無いが,固有値,固有ベクトルを知っているかどうかで,
見通しが一瞬で立つのか,地味にさせられてしまうのか(大学入学後,
あの問題はこれだったのか!と気づくかな?)分かれるだろう。
5−2 極方程式
問題:r=a/(2+cosθ)に関して,直交座標でかけ。平行移動させよ。一定を証明せよ。
コメント:極方程式は,一見何を言いたいのかが手ごわさを感じさせるところだろう。
しかし,慣れによって,直交座標系に直すのは困難は無く,それらは,
2次曲線(多くは楕円)がテーマになる。問題文は,漢字も多く,(!)
文章自体も他の問題と比較すると,長めである。嫌な感じはするだろう。
最後は扁平率に関する出題になっており,数学的にも面白い。
なお,これから車に乗り,走りに興味が出てくると,タイヤに”へんぺいりつ”
が関わってくる。タイヤに関しては偏平率と書く。扁平率と書くと意味が異なる。
(偏平率とは,サイドウォール部分の幅をタイヤ幅との割合で表したものである。)
5−3 確率
問題:商品1個で景品1個もらえ,n個の景品とn枚のカード。
少なくとも1個…,全種類の景品…。
コメント:文章解釈の問題であろう。カードを引き,景品がもらえる。
なんとも,駄菓子屋的な(イマドキの子は知ってるのか?駄菓子屋?)
出題でほほえましく思えるが,出題としては,m個買ったとき…や
少なくともや,全種類そろわないなど,文字オンパレードの答えが出ても
不安を感じるだろう。
5−4 確率分布は省略
教育学部の3−2
問題:y=plogxで,囲まれた部分の面積と回転体の体積
コメント:やはり基本的出題であった。logの積分に慣れているか,いないか。
eの扱いをできるか,否か。ホントにそれだけの気もする。
ためらわず,一気に攻め込んでも,慣れた生徒にとっては,10分で
解き終わってしまうかもしれない。見直し力,計算力を評価だろう。
全体的に
基本的な出題ばかりであった。熊本大学の問題のようにも見えた。
数学力低下が叫ばれる昨今,大学側のメッセージは,基本的なものを
普通に解くことが大切なのですよ。と受け取った。
しかし,いわゆる”受験勉強”した受験生にとっては,過去問や他大学で
出題されたものを深めていくことで,かなりの高得点が得られただろう。
医学部,歯学部あたりでは,”落とせない”問題ばかりだった気がする。
もしかしたら??高得点での争い=センターで決着が着いている。
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